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パッケージの力で人々を引き付け、商品の魅力を届けたい!

有限会社スマッシュ 佐々木 真由さん

ジャケ買い、パケ買いとの言葉もあるように、魅力的な容器や包装に惹かれ、思わず商品を買ってしまった経験はありませんか?
長年自宅で使っている小物入れが、かわいくて捨てられなかったお菓子の空き箱だ…なんて人も多いかもしれません。

そんなパッケージの可能性を早くから見いだし、紙器の企画・製造・販売を総合的に行うのが有限会社スマッシュ。宮城や仙台を代表する企業のパッケージを、数多く手掛けるものづくりのスペシャリスト集団です。

ここでデザイナーとして活躍しているのが、入社2年目の佐々木真由さん。
就活中には、スマッシュとの運命を感じるような出来事もあったという佐々木さんに、商品の顔ともいうべきパッケージデザインの難しさややりがいについて話を伺いました。

モノづくりに興味があり、高校生の時にはすでに今の職業を夢見ていたそう

奥深いパッケージデザインに魅了された少女時代

幼い頃から絵を描いたり工作をしたりするのが好きだった佐々木さんが、今の職業を目指すようになったのは高校生の時。
土産物コーナーなどに並ぶ商品パッケージの設計やデザインの合わせ方に面白さを感じたのと同時に、“商品の顔”としてさまざまな魅力を表現する奥深さに興味をひかれ、漠然と将来の夢を重ねるようになったといいます。

「でも間口の狭い世界だろうなとは感じていたので、プロダクトデザイン学科のある美術系の大学に進学し、家具のコースを専攻。パッケージデザインに直結する学びがそれほど多い学科ではありませんでしたが、家具デザインを通じて設計を学ぶことで、強みを増やそうと思いました」

パッケージデザイナーというぶれない夢を抱きながらも、柔軟な選択をすることでさらなる武器を身に着け憧れの職業へと距離を縮めていった佐々木さん。今は「好きな仕事ができている」、その幸せを感じながら、プロとしてさまざまな課題に向き合う日々を送っています。

膨大な種類や特徴のある紙の知識も、この仕事には欠かせません

就活中の運命ともいえる出会いが、入社の決め手に

就職活動を始めた当初は東京も視野に入れ活動していたそうですが、岩手で育ち、大学時代は山形暮らし。徐々に「生まれ育った東北で働きたい」との気持ちが高まるように。
そんな時、大学内で行われた合同説明会で現在の会社スマッシュと出会います。

「実はその少し前に、東京で行われたパッケージデザインの展示会に行く機会がありました。そこで気に入った作品を何点か写真に収めてきたのですが、その一つが実はスマッシュのものだったんです。東京で心奪われた作品が目の前に、しかもデザイナーさんと直接会えるなんて、運命を感じずにはいられませんでした」

憧れの作品を作ったデザイナーさんは、現在の直属の上司。なんでも相談でき、指導してくれる、今では最も身近な頼れる存在なのだそうです。

尊敬する先輩のもと、日々勉強中。プライベートな事も何でも話せるいい関係です

さまざまな条件をクリアしながら、より良いデザインを模索

現在は、パッケージの形状を考案して立体化する設計をメインに担当。展開図を機械で切り出し、クライアントに提案するためのサンプル作りも自ら行います。

「クライアントさんの要望に応えることや消費者が手に取りたいと思うパッケージを目指すことはもちろんですが、製造しやすいか、組み立てやすいかなど、間に入る工程や関わる人たちのことを考えた設計をすることも重要です。そこをクリアしつつ、より良いものになるよう工夫や提案をいかに入れられるか、そこがデザイナーの腕の見せ所です」

特にスマッシュが多く扱うギフト用や土産品の食品パッケージでは、商品の偏りやズレは禁物。
「贈り物は気持ちを伝えるコミュニケーションの手段でもあるので、開けた時にズレていたら台無しですよね。そうならないよう、実際に商品を入れて何度も振ってみたり、ふたも開けやすいけれど勝手に開かない、その絶妙なラインを探ったりして1mm単位での調整や検証を繰り返します」

打ち合わせに持参するサンプルを切り出す作業。機械の細かな調整なども慣れたものです

大手にはない現場同士の近さが、多くの学びを与えてくれる

「やっぱり、自分の手掛けたパッケージが製品として市場に出た時の喜びはもちろんですが、デザイナーとして自分なりの工夫を入れられるところに、この仕事の醍醐味を感じます」
そう今の仕事でのやりがいを教えてくれた佐々木さん。

「クライアントさんの要望を優先するのは当然。でも自分で納得しないものは出したくない。ちょっと違うかな? こっちの方がいいかも…と思ったら、ハッキリ自分なりの考えや提案をすることも大切にしています。その上でいいものが出来、クライアントさんにも満足してもらえた時は最高ですね」

すぐ隣の製造工場へ足を運び、相談したりアドバイスを求めたりすることも多いそう。この現場同士の距離感の近さが、大手にはないスマッシュの魅力であり、社員のスキルアップにもつながる環境です。

製造工場が敷地内に隣接。いくつもの巨大な機械が並びます

取材時は冬のギフトシーズンを前に、これから製品となる紙が山積みでした

常に課題を課し、苦手をカバーする工夫も

新規の案件を手掛けるたびに、佐々木さんが意識していることがあります。
それは新しいチャレンジをすること。

「小さくても毎回一つ一つハードルを越え、表現の幅が広がればと思って。まったく同じものは作らない、それが今の自分への課題です」

クライアントへの提案時には、相手がよりイメージしやすいよう数種類のサンプルを作って持参することもあるそうです。
「口下手だからというのが一番の理由なのですが(苦笑)。苦手をカバーするための私なりの工夫です」

佐々木さんが設計したパッケージたち。思い入れもひとしおです

好きな仕事に集中できるのは、良好な人間関係のおかげ

営業、デザイン、工場と、少数精鋭でそれぞれが自分たちの役割を果たすスマッシュでは、佐々木さんが一番の若手。少し年の離れた先輩方や親子ほどの年齢差がある上司など、周りは年長者ばかりです。

「同年代のいない環境に初めこそ不安はありましたが、社歴や年齢に関係なく、いいものを作るという目標に向かって何でも言い合える環境がここにはあります。本当は悩みがちな性格なのですが、誰にでも相談もしやすいですし、悩みを受け入れた上でアドバイスをくれるので本当にありがたいです」

内定から入社までの間にも、現場の見学や実務に向けた練習など、何度も会社に足を運ぶ機会を設けてくれたとか。おかげで早く溶け込むことができ、入社直後から好きな仕事に集中できたと振り返ります。

クライアントへの提案前に社内で打ち合わせ。とても和やかな雰囲気です

地元の人も思わず手が伸びる、土産品をデザインしたい

世に出るパッケージをすでに手掛けている佐々木さんですが、パッケージの持つ力で実現させたい夢があるとか。それは、地元の特産品に改めて興味を持ったり、良さを再確認するきっかけとなるようなパッケージを作ること。

「例えばうちでは水産加工品のパッケージなどを手掛けていますが、土産物コーナーで手に取ってくれるのはほとんどが県外の方なのかなぁって。その中でもっと人の心を引き付けるパッケージを実現できれば、地元の人も思わず手に取りたくなるはず。そんなデザインが理想です」

口下手といいながらも、丁寧に言葉を選び、仕事への熱い思いを伝えてくれた佐々木さん。
情熱的な仕事ぶりを見ていると、思い描くパッケージを実現させそれが店頭に並ぶ日も、そう遠くないのではと感じました。

(2019/11/20取材 ライター:渡邊 綾)

佐々木 真由さん 有限会社スマッシュ

プロフィール
岩手県出身。プロダクトの企画から設計、加工、提案までを学んだ大学時代の経験を生かしながら、現在はパッケージの設計をメインで担当。

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